経済軸
経済的左派
市場が生んだ格差は個人の努力だけでは埋めにくいため、政府が税と福祉で調整すべきだと考えます。
この立場は何を主張するのか
経済的左派は市場を否定しません。ただ、市場が生み出す結果がそれぞれの努力に比例していないと考えます。どの家に生まれたか、どの地域の学校に通ったか、どの時期に資産をもっていたか。そうした条件が結果のかなりの部分を決めているという見方です。だからこそ、出発点をならし、失敗しても立ち直れる仕組みを公的に用意することが政府の役割だと主張します。そうした仕組みがあってはじめて人は危険を引き受けて市場に参加できるのだから、再分配は市場の反対ではなく、市場が働くための条件だという見方もあります。
中心的な主張
- 結果の格差は努力の差だけでは説明できず、受け継いだ条件や運が大きな割合を占めます。
- 医療や教育のように、なければ生活が崩れるサービスは、支払い能力ではなく必要に応じて配分されるべきです。
- 個人と大企業では交渉力の差が大きいため、規制や労働組合という釣り合いがなければ、契約は形のうえでだけ自由なものになります。
- 不平等が一定の水準を超えると需要が細り、社会的な信頼も下がって、経済全体の成長にも重くのしかかります。
代表的な政策の方向
- 累進課税の強化と、資産・相続への課税の拡大
- 医療・教育・保育・年金の公的保障の拡大
- 最低賃金の引き上げ、解雇要件の強化、労働組合の交渉権の保障
- 大企業の市場支配力への規制と公共料金の統制
よく寄せられる批判
- 税率が高くなれば投資や起業の意欲が減り、長期的には税収の基盤そのものが弱くなるという指摘があります。
- 福祉の拡大が財政赤字と国債に結びつけば、結局は次の世代がその費用を負うことになるという批判があります。
- 公的な供給には競争がないため、品質を上げ費用を下げる圧力が弱く、待ち時間という別のかたちのコストを生むという指摘があります。
- 雇用保護が強いほど、すでに就いている人は守られる一方、新しく入ろうとする人には敷居が高くなるという反論があります。
よくある誤解
- 私有財産や市場経済そのものに反対しているという誤解があります。主流の経済的左派は市場を前提としており、論点は市場の結果をどこまで調整するかです。
- 成長に関心がないという誤解があります。多くは、分配が改善されてこそ需要と人的資本が保たれ、成長にも有利だと主張します。
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